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神町駐屯地宿舎換気扇交換役務

本案件は「税抜総価・最低価格落札(品質評価なし)」の純粋な価格競争です。勝敗は①参加資格(建設業許可〈管〉+有効な経営事項審査)の充足、②仕入力を反映した価格設定の2点でほぼ決まります。

 

論点

結論(推定を含む)

案件性質

レンジフード(換気扇)70台+アタッチメント70個の更新。既設電源は再使用=軽作業中心。

落札方式

予定価格内の最低価格落札。同額はくじ引き。実績・品質は加点されない純価格競争。

最大の関門

参加資格:統一資格「役務」D等級以上 + 建設業許可〈管〉C等級以上 + 有効な経審。資格未充足=即失格。

予想予定価格

約 ¥3,600,000(税抜・推定/レンジ ¥3.0M〜¥4.2M)

推奨入札(勝負価格)

¥3,000,000 〜 ¥3,200,000(税抜・推定)

市価調査回答(推奨)

¥3,900,000 〜 ¥4,200,000(入札書より高く=予定価格の天井を下げない戦略)

総合落札確率

72 / 100(資格充足・標準的仕入力の地元設備業者を前提)

 

今日からの実務アクション(再度入札・類似案件向け)

1. 参加資格(建設業許可〈管〉・経審の有効期限・統一資格等級)を最優先で確認・証憑準備。

2. メーカー/卸へ70台ロット見積を依頼し、同等品を含めた最安構成を確定。

3. 「市価調査回答>入札書」を原則化(理由は第5章で詳述)。

4. 再度入札に備え、予備の入札書・委任状・資格結果通知書(写)を常時携行可能に。

 

 

第1章 案件概要

項目

内容

案件名

若木宿舎5・6号棟 換気扇交換(公告第44号)

調達要求番号

6NNK1AK0049(仕様書番号51/令和8年6月2日作成)

発注機関

陸上自衛隊 神町駐屯地 第401会計隊(分任契約担当官:第401会計隊長 野田勝美)

仕様・現場担当

神町駐屯地業務隊 管理科営繕班(沼澤)/契約:契約班(村岡・谷津)

履行場所

陸上自衛隊 神町駐屯地 若木宿舎(山形県東根市神町南三丁目3-2)

履行期限

令和8年12月18日(公告6/4・入札6/18からは約6か月。工程に十分な余裕あり)

数量

1式(ST)=レンジフード70台+アタッチメント70個

調達目的

宿舎居室のレンジフード(換気扇)の老朽更新。既設電源を再使用しユニットを交換。

発注者が重視する点

①予定価格内の最低価格、②完成検査での稼働確認(実機が確実に動くこと)、③駐屯地内施設の無破損・原状回復、④監督官との工程協議・指示遵守。

 

ポイント:本件は新設配線を伴わない「ユニット差し替え+アタッチメント交換」が主体で、技術的難度は高くありません。したがって差別化要因は技術力ではなく「仕入価格」と「70台分の段取り・人員手配」に集約されます。

 

 

第2章 仕様分析

2-1. 交換対象(仕様書 特記事項より)

対象

既設規格

新設規格(同等品以上可)

数量

5号棟

レンジフード本体

FY-60HL5BL1(パナソニック)

V-603K8-BL6 W60×D65×60cm 又は同等品以上(他社可)

40

5号棟

アタッチメント

FY-AS605(パナソニック)

P-60MA4 又は同等品以上(他社可)

40

6号棟

レンジフード本体

V-603R-BL(三菱電機)

V-603K8-BL6 W60×D65×60cm 又は同等品以上(他社可)

30

6号棟

アタッチメント

P-60A2(三菱電機)

P-60MA4 又は同等品以上(他社可)

30

合計

 

 

本体70台+アタッチメント70個

70台/70個

 

注:「又は同等品以上(他社製品含む)」と明記されているため、純正(パナ/三菱)に縛られず、最も安く調達できる同等品を選定できます。これがコスト最適化の最大レバーです。

2-2. 必須条件(充足しないと即失格)

区分

要件

参加資格①

統一資格「役務の提供等」D等級以上、又は防衛省一般競争参加資格で工事種別「管」がC等級以上

参加資格②

建設業許可(建設業法第3条)+有効な経営事項審査(経審)。換気扇=管工事に該当するため。役務資格のみでは不足の可能性が高い最重要ゲート。

欠格事由

予決令70・71条非該当/指名停止期間中でない/暴力団関係業者でない。

入札書記載

「契約条項等を承諾のうえ入札」「暴排に関する誓約」の両文言を入札書に必ず記載。

事前提出

資格結果通知書(写)を入札開始前までに直接又はFAX等で提出。

代理人入札

代表者以外が入札する場合は委任状を入札時に提出(代理人氏名の記名要)。

 

用語解説(初心者向け)

経営事項審査(経審):建設業者の経営状況・規模・技術力を国が点数化する審査。公共工事の入札に必要で、結果通知書には有効期限(審査基準日から1年7か月)があります。期限切れだと「経審を受けている」状態に該当せず失格になり得ます。

管工事:給排水・空調・換気などの配管・設備工事。レンジフード(換気扇)の交換はこの「管」に分類されます。

2-3. 見落としやすい条件・失格リスク

区分

内容と対策

棟名の表記ゆれ

仕様書 特記事項a)に「東根宿舎5・6号棟」、表題・公告は「若木宿舎5・6号棟」と表記が混在。同一宿舎を指すと推測されるが、疑義事項として質疑または現場確認で必ず確認すること。

発生材の扱い

金属類の発生材は「発生材調書を作成し官側へ引渡し」=請負者の売却収入にはならない(原価で回収不可)。金属以外の発生材は請負者が合法処分(処分費は自己負担)。見積に処分費を計上漏れしないこと。

既設電源の再使用

新設配線なし=電気工事士の本格作業は基本不要。ただし結線替え等が生じる場合は電気工事士法に留意。現場確認で結線状態を要チェック。

完成検査・試験運転

官・請負立会で全台稼働確認。不具合時は是正→再検査(材料増減があっても原則契約変更なし=リスクは請負側)。試験運転報告書・写真帳の提出要。

軽微変更の無補償

仕様と現場の相違による軽微な設計変更・材料増減は契約金額を変更しない。想定外台数・部材差異のバッファを見積に織込む。

入札方法の制限

電報・電話・FAX・メールによる入札は無効。郵便入札は事前承認+二重封筒+前日17時必着。

 

 

第3章 市場分析(推定)

本章の金額は型番・一般的な設備相場からの推定です。実勢仕入は数量・取引条件で変動します。

3-1. 想定原価構成(70台ベース・税抜・推定)

費目

概算(税抜・推定)

内容

材料費

¥1,500,000〜¥2,300,000

本体70台+アタッチメント70個。同等品選定とロット割引が効く部分。

労務費

¥560,000〜¥980,000

70台の差し替え交換。既設電源再使用で1台あたり軽作業(@¥8,000〜14,000想定)。

諸経費

¥300,000〜¥600,000

運搬・廃材処分(金属以外)・仮設・現場管理・完成検査立会・書類作成。

原価合計(推定)

約 ¥2,360,000〜¥3,880,000

中心値 約 ¥3,100,000前後

 

コスト圧縮の急所:①同等品の採用(純正比でユニット単価を下げる)、②70台一括発注によるメーカー/卸からの数量割引、③1日多台数施工による労務効率化。この3点で原価合計は下限側(¥2.4M台)に寄せられます。

3-2. 主要競合の想定

競合タイプ

強み

弱み

山形県内の地元設備・管工事業者(東根/天童/山形市)

駐屯地への土地勘・現場慣れ/近距離で運搬費・人件費が低い/官との取引実績

70台ロットの段取り力・人員確保にばらつき/同等品の最安調達ルートが弱い場合あり

駐屯地営繕の常連業者

過去案件の遂行実績で遂行リスクが低い/監督官対応に慣れる

常連ゆえの価格慢心で、攻めた価格で崩されやすい

県外の設備工事業者

資材調達力・施工体制が大きい

運搬・宿泊等の移動コスト負担で価格が不利/現場確認の手間

 

競争の見立て

「建設業許可〈管〉+経審」という資格ゲートで参加者は一定数に絞られます。一方、レンジフード交換自体は設備業者の標準業務で参入障壁は低く、価格は締まりやすい構造です。地元・近距離業者が運搬/人件費で有利になりやすい点に注意。

 

 

第4章 過去の落札傾向分析(推定)

分析軸

推定

落札方式

価格競争型(純最低価格)。税抜総価で最低価格者が落札。品質・実績の加点なし。

応札者数(推定)

2〜4社程度。資格ゲート(管+経審)で母数が絞られる一方、設備業者は多く一定の競争は発生。

競争性(推定)

中〜やや高。参入容易な作業内容のため、価格は予定価格に対し締まりやすい。

落札率(推定)

予定価格の 82〜92%(複数応札時の着地レンジ。1社入札なら高止まり)

勝敗の決定要因

①参加資格の充足(前提条件)、②同等品の最安調達力、③近距離による運搬・人件費の優位。

 

推定の根拠(透明性のため明記)

過去の実落札データは本資料には含まれないため、上記は「①最低価格落札方式である事実、②作業難度が低く参入容易、③資格要件で母数が絞られる」という構造から導いた推定値です。可能であれば、神町駐屯地・東北方面会計隊の過去同種案件(宿舎設備更新)の開札結果を入手し、落札率の実測値で補正することを推奨します。

 

 

第5章 落札価格分析

予定価格は非公表のため、第3章の原価構成と一般的な官側予定価格の組み方からの推定です。

5-1. 価格レンジ(税抜・推定)

区分

金額(税抜・推定)

考え方

予想予定価格

約 ¥3,600,000(¥3.0M〜¥4.2M)

市価相場+官の積算(諸経費込)からの逆算。

市価調査回答(推奨)

¥3,900,000〜¥4,200,000

入札書より高く設定(理由は5-2)。予定価格の天井を下げない。

安全価格

約 ¥3,400,000

予定価格内に収まる蓋然性が高い水準。確実性重視時。

勝負価格(推奨入札)

¥3,000,000〜¥3,200,000

落札を取りに行く水準。原価¥2.4〜3.1Mに薄利を乗せた攻めの価格。

落札予想価格

¥3,100,000〜¥3,500,000

複数応札時の現実的な着地レンジ。

 

実務上の置き方:仕入の最安構成が固められるなら勝負価格(¥3.0M〜¥3.2M)で攻め、固めきれない/確実性を優先するなら安全価格(¥3.4M)に置きます。1台あたり入札単価に換算すると、勝負価格は約 ¥42,800〜¥45,700/台(本体・アタッチ・工賃・諸経費込) が目安です。

5-2. 【重要】市場価格調査回答書 > 入札書 とする戦略

原則:市価調査回答額 > 入札書記載額

本案件は市場価格調査回答書(市価調査)が課されています。回答額は必ず入札書の金額より高く設定します。

 

理由(メカニズム):発注機関は、各社から集めた市価調査回答を予定価格を組む際の参考(事実上の上限の目安)として用います。ここで自社が低い金額を回答すると、予定価格の天井を自ら引き下げてしまい、本番の入札で取れる利益幅(=予定価格と入札額の差)を狭めることになります。市価調査は実勢〜やや高めで回答し予定価格の天井を確保、入札書では勝負価格で最低価格を狙う——この二段構えが定石です。

 

書類

目的

金額の置き方

市場価格調査回答書

予定価格の参考(上限目安)

高め:¥3,900,000〜¥4,200,000

入札書

落札(最低価格を取りに行く)

低め:¥3,000,000〜¥3,200,000

 

本案件での留意(時点)

本件の市価調査回答期限(6/12)は既に経過しています。上記は貴社の標準戦略ルールとして、本件の再度入札・今後の同種案件に必ず適用してください。内訳書(人件費・物品費・諸経費)の添付が求められるため、回答額と内訳の整合(高めでも不自然でない積算根拠)を保つことが重要です。

また「内訳書は様式随意」「諸経費含む税抜」で求められる点も、回答時の様式準備で押さえておきます。

 

 

第6章 落札確率評価(100点満点)

前提:建設業許可〈管〉・有効な経審・統一資格D(又は管C)を充足し、標準的な仕入力を持つ地元(県内)設備業者が応札するケースを想定。

評価軸

点数

評価コメント

価格競争力

70

純価格競争のため最重要。同等品の最安調達と近距離優位を取れれば+10は可能。

実績競争力

65

本案件では加点対象外(最低価格のみ)。実績は遂行リスク低減・原価精度の面で間接的に効く。

納品体制

78

履行期限12/18まで余裕大。70台の人員・工程手配が組めれば高評価。

総合評価

72

勝敗は価格設定が主因。資格を満たしたうえで勝負価格を置けるかで±15点動く。

 

スコアの読み方

最低価格落札方式では、点数の本質は「価格をどこまで攻められるか」に収れんします。実績・体制が高くても、価格で1社でも下回られれば落札できません。逆に、資格を満たし勝負価格(¥3.0〜3.2M)を置ければ総合確率は80前後まで引き上げられます。確実性重視なら安全価格で確率はやや下がる(60台)が取りこぼしリスクは低減します。

 

 

第7章 勝ちに行く戦略

7-1. 提出前に行うべきこと

  • 参加資格の確定確認:統一資格の等級(役務D以上)/建設業許可〈管〉の有無/経審の有効期限を最優先で確認。1つでも欠ければ応札不可。
  • 証憑準備:資格結果通知書(写)を入札開始前に直接又はFAX提出できるよう準備。建設業許可・経審結果通知書の写しも携行。
  • 現場確認(随時受付):70台の設置状況・搬入経路・既設電源の結線状態・養生範囲を実地確認。事前に営繕班(沼澤)と日時調整。
  • 入札書の文言確認:「契約条項等を承諾のうえ入札」「暴排誓約」の2文言の記載漏れがないかダブルチェック(記載漏れ=無効)。
  • 再度入札への備え:予備の入札書・委任状・資格結果通知書(写)を一式携行。郵便入札参加者がいれば6/24に再度入札となる。

7-2. 見積作成時の注意点

  • 同等品で最安構成:「同等品以上(他社可)」を活用し、純正比でユニット単価を最小化。性能・寸法(W60×D65×60cm相当)の同等性は根拠を残す。
  • 70台ロット割引:メーカー/卸へ一括見積を依頼し数量割引を引き出す。
  • 発生材コストの計上漏れ防止:金属類は官引渡し(売却収入なし)。金属以外の処分費は自己負担として必ず計上。
  • 無補償リスクの織込み:軽微変更・材料増減は契約変更なし。想定外台数や部材差異のバッファ(数%)を見込む。
  • 諸経費の網羅:運搬・仮設・現場管理・完成検査立会・書類作成(試験運転報告書・写真帳)を計上。

7-3. 競合対策

  • 地元・近距離業者が運搬/人件費で有利。自社が県外なら、仕入の最安化で価格差を埋める設計にする。
  • 常連業者の価格慢心を突く:攻めの勝負価格で最低価格を確実に取りに行く。
  • 仕入ルートの優位確保:複数卸・メーカー直の相見積で最安を固定し、価格の底を下げる。

7-4. 質疑応答戦略

  • 棟名の疑義:「東根宿舎」「若木宿舎」の表記混在を確認し、対象棟・所在を確定。
  • 同等品の判定基準:採用予定の他社製品が「同等品以上」と認められるか、判断主体(監督官)と必要根拠を確認。
  • 既設電源の状態:再使用にあたり結線替えの要否を確認(電気工事士の要否判断に直結)。
  • 現場確認の日程:営繕班と早めに調整し、70台の実態(既設機種・寸法・搬入経路)を把握。

7-5. 価格設定戦略(まとめ)

局面

推奨アクション

市価調査回答(次回以降)

高め(¥3.9M〜¥4.2M)。予定価格の天井を確保。内訳書を整合させる。

初度入札

勝負価格(¥3.0M〜¥3.2M)。仕入を固めて最低価格を狙う。確実性重視なら安全価格¥3.4M。

再度入札(6/24等)

初度の競合状況を踏まえ、原価+最小利益まで一段下げる用意。下限(原価¥2.4M台+最小利益)を事前に決めておく。

同額時

くじ引きとなるため、わずかに下回る端数設定(例:¥3,098,000 等)で同額を避ける工夫も有効。

 

 

提出・準備チェックリスト

項目

備考

統一資格 役務D以上 / 管C以上の確認

等級・有効期間を確認

建設業許可〈管〉+有効な経審

最重要ゲート。経審の有効期限要確認

資格結果通知書(写)の事前提出

入札開始前までに直接/FAX

入札書(2文言の記載)

契約条項承諾+暴排誓約の記載必須

委任状(代理人入札時)

代理人氏名の記名

現場確認の実施

営繕班(沼澤)と日時調整

70台ロットの仕入見積取得

同等品・数量割引

見積:発生材処分費・諸経費の計上

金属は官引渡し(収入なし)

市価調査回答書>入札書(次回以降)

予定価格の天井確保+内訳書整合

再度入札用の予備一式携行

入札書・委任状・資格通知書(写)

完成検査書類の準備計画

試験運転報告書・写真帳・発生材調書

 

免責事項

本レポートに記載の予定価格・原価・落札率・競合・確率スコア等は、公告書・仕様書・市価調査依頼・入札書様式の記載内容、及び一般的な官公庁入札の実務・設備相場に基づく当社の推定です。実際の予定価格は非公表であり、結果を保証するものではありません。最終的な入札判断・金額決定は、貴社の仕入条件・経営判断に基づき行ってください。資格要件(特に建設業許可・経審)の充足可否は、必ず原本でご確認ください。

 

株式会社インヘリタンスオフィスK 官公庁入札コンサルティング